トランペットの練習を日々重ねているバイトちゃん。楽譜通りに演奏することはお手の物になってきました。

練習すればするほど、トランペットのことが好きになってきました。
もっと楽しく演奏するために、上手になりたいです!

それでは、「音楽の幅」を広げる練習をしてみましょう。
まずは、簡単に音楽の幅を広げられる『音の強弱』を研究してみてはどうでしょうか。
今回は、中級者向けの音楽の幅を広げる練習/研究である『音の強弱』についてご紹介します。
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- 強弱記号について。
- フォルテとピアノの練習法について。
- 特にトランペット奏者が練習したい奏法について。
まずは、強弱記号についておさらいしてみよう。
それではまず、音楽で使用する音の強弱記号についておさらいしてみましょう。普段から多くの曲を演奏していれば音楽記号は楽譜上で沢山出てきます。
◎音の強弱記号一覧
- ppp(ピアノ・ピアニッシモ):ppよりさらに弱く
- pp(ピアニッシモ):とても弱く
- p(ピアノ):弱く
- mp(メゾピアノ):少し弱く
- mf(メゾフォルテ):少し強く
- f(フォルテ):強く
- ff(フォルティッシモ):とても強く
- fff(フォルテ・フォルティッシモ):ffよりさらに強く

こんなの楽勝。普段から楽譜で目にする。
いままでの演奏で一度は出会ったと思うな。
音の強弱記号は、誰もが楽譜上で出会ったことのある音楽表記です。pppやfffはレアな記号になるので、もしかしたらまだ出会ったことの無い方もいるかも知れません。私自身も人生で数回しか出会ったことのない記号です。作曲者が演奏者に伝えるための表現としては、ppやffで十分だからなのもしれません。
多くのサイトでは、fffやpppを「”とても”強くor弱く」以外のmore表現(例えば「ごく」や「さらに」「より」「できるだけ」等)を用いて説明しています。しかし、pppやfffを使う作曲者は作品に対する何らかの意図があって記号を使っているのだと思います。そのため、私はpppを「ppよりさらに弱く」fffを「ffよりさらに強く」と解釈して演奏することが、最も作曲者の意図に沿った音楽に繋がると考えています。これは私の勝手な見解ですが、「ffの無い曲でfffが使われている曲」は無いと思います。なぜなら、「ffよりも強い音で、音楽を表現して欲しい」という作曲者の意図が無いからです。
◎その他の強弱記号
- <(クレッシェンド):だんだん強く
- >(デクレッシェンド):だんだん弱く
pとf系統の強弱表現の他に、「だんだん~」のクレッシェンド、デクレッシェンドが存在します。記号の他にも文字(cresc等)で表現されることがあります。記号と文字で表現が違うという方もいますが、これは作曲者やその曲の解釈によっても大きく異なるため、「記号だから~。文字だから~。」と決めるのはおすすめしません。私個人としては「記号のほうがクレッシェンド・デクレッシェンドの終始がわかりやすいな。」程度の理解としています。どのように強く/弱く演奏するかはその曲によって変化させるのが適切だと思います。
この他にもsfz(スフォルツァンド)等のよく使用する強弱記号がありますが、今回はp系統及びf系統の音楽表現方法を追求したいため、割愛します。
フォルテ=強くではあるけど、「音を大きく」ではない?
まずフォルテから深掘りして、おさらいしていきましょう。

フォルテはズバリ、「強く」。
フォルテはズバリ「強く」なのですが、楽器を演奏する際にむやみに音量をあげてしまう方も少なくないと思います。フォルテの本来の意味である「強く」に「音を大きく」という意味は無いのです。よく挙げられる例では、「スマホ等で音楽を再生し、音量を上げる行為は、フォルテでは無い。」と説明されることが多いと思います。楽器を演奏していると、音量を上げることが「強さ」になりがちですが、それは演奏の結果として音量が上がっているのであって、音量を上げること→強さでは無いのです。
音を一つ取り出した時に、どんな音だと「強い」と感じるか考えるとフォルテを紐解くことができます。まず音のアタックは、もちろん「はっきり」。音は温かい息を入れて「太く、堂々と」。音の終わりは余韻までもはっきりフォルテのままでいることが大切です。以上のフォルテをまとめるとこうです。
強弱記号フォルテ系統に求められる表現
- アタックをはっきりと。
- 音は太く。堂々と。
- 音の終わり、余韻までもはっきり。
今回はいち音の「始まり~中盤~終盤」の三要素に分けてフォルテを分析してみました。他にもフォルテをよりフォルテらしく表現できる方法があるかも知れません。いろいろな研究をしてみて、音を追求してみてください。
もちろん、ピアノ=弱くであって、「音を小さく」ではない。
フォルテについて踏まえた上で、ピアノをおさらいしていきましょう。

ピアノはズバリ、「弱く」。
フォルテで音の強弱とは、音量と異なるという説明をしました。もちろんピアノでも同じです。ピアノの音をよりピアノらしく演奏するためには、まず音のアタックは、もちろん「はっきり」ですが、フォルテより繊細に優しく演奏することが望ましいです。また、音は「優しく」ですが、音の芯を大切にしましょう。音の芯がなくなるとトランペットから音の響きが失われます。最後に、音の終わりはフォルテ同様、余韻までもピアノのままでいることが大切です。ただし、音の終わりが煙のように消え去るのではなく、最後まで音が響くように注意しましょう。以上のピアノをまとめるとこうです。
強弱記号ピアノ系統に求められる表現
- アタックをはっきりと。だけど繊細に。
- 音は優しく。でも音の芯を大切に。
- 音の終わり、音が小さくならないように。

ピアノって、大変。
楽に演奏できる記号とばかり考えていたかも。
実はピアノ系統の表現はフォルテ系統と比較して何十倍もテクニックを求められます。しかも音そのものが丸裸にされるため、”奏者の持つ音”がより浮き彫りになります。ピアノで上手く音楽を表現するということは、練習に練習を重ねる必要があるのです。
強弱記号の”幅”を広げるだけで得られる、メリット。
音の強弱をコントロールできるようになると、大きなメリットがあります。それは、ダイナミックな演奏が可能になるということです。強弱がはっきりすることで、音楽の伝わり方が変わります。私は具体的に、『飽きない音楽』になるのかと考えています。
音楽のダイナミックスは聞いている人に取って、とても重要な要素です。聞いていて強弱がはっきりせず平坦な音楽だと、だんだん飽きがきてしまいます。音楽は山あり 谷ありのほうが面白いのです。ジェットコースターやお料理と同じで、同じ速さ・同じ味だとつまらないと感じてしまうもの。ダイナミックスを付けることは、程よい緊張感・スパイスを付けることだとおもって、練習の中にも取り入れてみてください。
強弱記号の注意事項。
ただし、もちろん注意事項もあります。先程のジェットコースターやお料理の例であげたように、極端にやり過ぎるとお客さんは疲れてしまいます。例えば、何度も登ったり降下を繰り返し続けるジェットコースターや辛すぎるカレーなどは、一部のお客さんにとっては「大好物」になりえますが、多くの人にとっては「それはやりすぎ」と感じるのと同じです。

なんでもやりすぎは禁物です。
味付けがクドくならないように、気をつけてください。
また、強弱を付ける際は、緩やかに強弱を付けるのか、いきなり強弱を付けるのか等を考えながら練習してみましょう。メンバー内でその強弱のテンションの付け方に違いもあると思います。話し合いを重ねて、チームとしてどんな強弱を付けるか検討しましょう。
フォルテとピアノの練習法について。
それでは本題。フォルテとピアノの練習方法について触れていきましょう。強弱記号の意味、音の強弱のメリット、注意点についてはご説明した通りですが、それを上手くコントロールできるようにならないと音楽に取り入れることはできません。

練習して上手くコントロールできるようにならないと。
今回は大きく、4つの観点で練習方法をご紹介します。
- フォルテ系統の音を「強く」表現する練習方法
- ピアノ系統の音を「弱く」表現する練習方法
- クレッシェンド・デクレシェンドを丁寧に表現する練習方法
- フォルテピアノをダイナミックに演奏する練習方法
まずはフォルテ系統をマスターし、次にピアノ系統をマスター。その後、「だんだん~」のクレッシェンド・デクレッシェンドとフォルテピアノの練習法をお伝えします。
フォルテ系統の音を「強く」表現する練習方法
まずはフォルテ系統の音を練習する方法です。フォルテの練習で欠かせないポイントは力を抜くことです。合奏などで「思いっきり吹いて!!!」と言われると力が肩や首に入ってしまい、「音が固いね」と言われることはありませんか。これは力が入っていることに起因します。
ピアノの音の特徴を復習すると、
- アタックをはっきりと。だけど繊細に。
- 音は優しく。でも音の芯を大切に。
- 音の終わり、音が小さくならないように。
の3点でした。
体のどこかに力が入ると、この特徴から離れてしまいます。まず「堂々と」から離れてしまいます。音が固く、響きが無いためです。また、アタックが固くなり、はっきりではあるものの、適切な塩梅からは外れてしまいます。そして、音の終わりまで息が続かずに余韻が無い、雑な音になってしまうのです。
そのためにも、まずは体の力を抜いてリラックス。王宮のお風呂の中に入った王様のイメージで音を出しましょう。息はたっぷり入れて、音を響かせるイメージを大切にしてください。普段の基礎練習の一部をフォルテで吹いてみて、体育館や廊下等でメンバーに遠くから音を聞いてもらい、フォルテの音が鳴っているか聞きあうことが良いです。
ピアノ系統の音を「弱く」表現する練習方法
続いてピアノ系統の音を練習する方法です。ピアノの練習で欠かせないポイントは頭をフル回転させることです。ピアノ系統の音はとにかく繊細です。頭を使い続けて音が音として鳴り続けていることを意識する必要があります。
フォルテの音の特徴を復習すると、
- アタックをはっきりと。
- 音は太く。堂々と。
- 音の終わり、余韻までもはっきり。
の3点でした。
ピアノはフォルテのイメージと異なり、より正確に丁寧に演奏する必要があります。イメージは遠くで小さな虫がずっと羽ばたき続けているようなイメージです。小さいながらもそこに命が吹き込まれている必要があります。
フォルテ同様、体の力は抜いてリラックス。息は普段と同じくらいで、音を響かせるイメージは忘れずに。静かな部屋でロングトーンを繰り返すことがおすすめです。また、メンバーとロングトーンのリレーをして響きが生きているか聞きあうこともおすすめです。一人でやると考えすぎてしまい、力が入ってしまうため、複数人でやると効果的でしょう。
クレッシェンド・デクレシェンドを丁寧に表現する練習方法
フォルテとピアノの練習を続けると、「だんだん~」系統であるクレッシェンド・デクレッシェンドの表現も上手くコントロールできるようになります。音の表現の幅が広がり、緊張感を出すことや開放感を出すことが容易になってきます。
フォルテ・ピアノで説明した「音量を変えるだけではない」というルールを「だんだん~」のクレッシェンド・デクレッシェンドでは、特に意識してみてください。そして、「このクレッシェンド・デクレッシェンドの先にどんな音楽が待っているのか」を考えながら演奏してみましょう。
クレッシェンドの先に緊張した音楽が有るのか。それとも開放的な音楽があるのかによって、クレッシェンドのかけ方が変わります。音量ではなく、音楽を意識することを忘れずに。
フォルテピアノをダイナミックに演奏する練習方法
fp(フォルテピアノ)という表記を目にした方は、少なくないはずです。吹奏楽では多く取り入れられる技法で、「フォルテから一気にピアノにする」という記号です。いままでの説明からすると、フォルテの音からピアノの音にすると言うのは至難の業であることが分かると思います。音の種類が全く異なるからです。それを1音内で完結させるにはかなりのテクニックが必要です。
そのため、この記号のときのみは、「音量を小さく」することで難を逃れることがおすすめです。フォルテを意識して、しっかり音を響かせたまま、音を小さくしましょう。音の響きがなくなってしまうのはご法度です。
特にトランペット奏者が練習したい奏法について。
フォルテ・ピアノの両方の特徴・練習方法について触れてきましたが、トランペットにとって重要な練習は何かを研究していきましょう。

トランペットならやっぱりフォルテ?でもピアノも練習しないとダイナミックな演奏にはつながらないし。どっちが優先なんだろう。
私個人が学生時代に考えていたフォルテとピアノの重要性についてを踏まえながら、優先して練習しておくと効率的だと思う強弱の奏法について説明致します。
まずはフォルテ系統の「強い音」を極めたい。
トランペットにとってまず極めたいのは「フォルテ系統の音」です。これは個人的研究の結果なので、参考程度に御覧ください。私なりに考えた理由もあります。

ちゃんとした理由もあるのです。
吹奏楽では、トランペットはお客さんより最も遠い位置にて演奏することになります。そのため、音の響き・音量が無いと、最後尾のお客さんまで音が届かないのです。音が届かないということは致命的で、せっかく練習しても指揮者のための音楽に成り下がってしまう可能性があります。
どんなときでも演奏を聞いてもらうのはお客さんなので、聞いて貰える人のためにちゃんと音が届くよう、フォルテ系統の音を極めましょう。
そして丁寧で繊細なピアノ系統の音を極めよう。
ピアノ系統の音はその次に極めていきましょう。もちろん、バランスよく練習することが重要ですが、優先度となるとフォルテに劣ると思います。また、ピアノ系統の練習をすると、とにかく疲れます。頭も体力も使う練習のため、ピアノの練習ばかりするのは危険だからです。
しかし、綺麗で丁寧なピアノ系統の音が出せると、ソロなどでも大変映えるトランペットになります。ぜひ、練習は続けてください。
どちらの系統もコントロールできれば、怖いものなし!
フォルテもピアノもコントロールできるようになると、もう怖いものはありません。どんな勢いのある曲でも、どんな繊細な曲でもお手の物です。また、ダイナミックな演奏ができるようになり、曲の中で緩急をつけ、音楽を楽しめるように鳴ります。
そして何より、1本のトランペットとしてかなりレベルが上がってきます。ソロでも堂々と演奏することができるようになること間違いなしです。
さいごのまとめ
今回は音楽の幅を広げる練習方法である、『音の強弱』についてご紹介しました。
~ この記事のまとめ☕ ~
- 強弱記号について振り返り、本来の意味を再確認する。
- フォルテとピアノの練習法を抑えて、自分の演奏に取り込む。
- 特にトランペット奏者が練習したい奏法を抑えて、効率的に練習に組み込む。

強弱記号をマスターすることは、音楽をより楽しむことに繋がるということがわかりました。
音楽表現は大変複雑で個人差が有るものですが、音の強弱をマスターすることで、簡単にダイナミックな奏法を手に入れることができます。まずは、難しい奏法や高音は置いておいて、強弱をマスターすることから始めてみませんか。
それではまた。

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